
優秀な海外大学等を卒業等した方が、日本において「就職活動」または「起業準備活動」を行う場合、在留資格「特定活動」(未来創造人材)を付与され、最長2年間(1年または6カ月ごとに更新が必要)の在留が可能となる制度であるJ-Find(未来創造人材制度)。2023年4月より導入されて以降、徐々に制度の認知が広がっており、メディアやSNSで当制度を見かけた方も多いのではないでしょうか。弊社Jelper Clubも当制度の認知拡大に努めており、当ウェブサイトにて積極的に制度のプロモーションに努めております。
そんなJ-FIndですが、2023年12月末時点では当制度の適用在留者数合計が353名であり、それに対して昨年弊社が出した記事内で「言語・為替レートのハンディキャップがあるにも関わらず、J-Findを適用して日本に滞在し、就職先を探している学生が2023年12月末時点で353人もいるというのは、むしろ「世界トップ学生間における、就労先としての日本に対する注目度合のポテンシャルは高い」と言えるのではないか」「直近の円安トレンドの落ち着きや、近年日本語要件が低い新卒向けのポジションが日本で増えていることを踏まえると、今後J-Find(未来創造人材制度)の適用数は増えていく可能性は高いと考えられる」といった主張をいたしました。そして当調査から半年後の2024年6月末時点におけるJ-Find適用在留者数合計の数値が出入国在留管理庁より発表されました。そこで当記事では、この半年間の数値推移を分析した上で、今後のJ-Find適用に関する考察を記載していきます。
2023年12月末~2024年6月末における、J-Find(未来創造人材制度)を適用している在留外国人数の推移
図1:2023年12月末・2024年6月末時点でJ-Find(未来創造人材制度)を適用している在留外国人数*1
(*J-Find適用数ではないことに留意)

図2:2023年12月末~2024年6月末のJ-Find(未来創造人材制度)を適用在留外国人数増減率*2

考察
まず最初に全体の数値から見ていきます。ここ半年間で当制度適用在留外国人の数は353人→615人に増えており、これは実に+74%となっています。そもそもJ-Find適用後に就職が決まった場合、在留資格は変更となります。そうしたことを踏まえると、J-Findの活用が全体的に進んでいる傾向にあるといえます。また海外の大学は夏~秋卒業のケースが多く、適用数は下半期に伸びやすい傾向にあることから、それを踏まえた上でも当数値は合格点以上のものといえます。
また国別の数値を見ていくと、勿論J-Find適用の大部分は以前中国です。しかしながら米国籍の適用数も増加しており、ここ半年で丁度倍の数値となっています。また米国のみならず、英国や台湾、インドネシアなどでも大幅な増加がみられています。
全体の割合で見ると、2023年12月末時点で中国籍の適用数割合が全体の74.8%だったのに対し、2024年6月末では72.7%となっており、中国籍が占める割合は微減している一方、米国は5.1%から5.9%と微増しています。また英国は2.8%→2.9%、台湾は2.5%→2.9%、インドネシアは1.1%→1.5%となっており、割合にも変化がみられてきました。比較期間が6カ月であることを踏まえると、この割合の増減は数値以上のものを持っているのではないでしょうか。
特にこの近年の円安トレンドの中で、日本での就労を目指している世界トップのタレントが増えているということは、日本が給与以外の非金銭的なベネフィットに溢れていることを意味しています。また、従来より海外のタレントから懸念されていた日本の労働環境が改善されてきていることも、世界トップタレントを惹きつけている大きな要素となっているのではないでしょうか。
日本としては、従来より続けてきた働き方改革は引き続き推進しつつ、こうした日本が持つソフトパワー(生活の質の高さ、魅力的な文化、安全性,etc.)などをもっと大々的に打ち出し、少子高齢化による優秀層の母集団縮小に喘いでいる日本を救うような世界トップタレントを世界中から呼び寄せることが重要であると考えます。
また日本の企業は、日本での就労を目指す世界トップタレントが存在することをまずは認知・理解した上で、そうした層を積極的に取り込んでいくべきだと考えております。こうした世界トップタレントの採用は、人手不足に対する処方箋になることは勿論、社内の競争力を高め、グローバル人材育成に適した社内環境の醸成を行うことも可能となります。そのため、日本の企業には是非世界トップタレントに門戸を開き、積極的に採用を推進していくことを提言いたします。
(編集:Jelper Club 編集チーム)
1・2. 「在留外国人統計(旧登録外国人統計)」(出入国在留管理庁):https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00250012&tstat=000001018034&cycle=1&year=20230&month=24101212&tclass1=000001060399&stat_infid=000040186953&result_back=1&tclass2val=0; 2024年6月末時点でJ-FInd適用在留者数が2人以下の国は省略
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