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"The Hero and the Outlaw" - 新卒グローバル人材採用成功のための「ストーリー」構築マニュアル

更新日:3月10日


ストーリ―

世界トップの新卒グローバル人材への採用マーケティングにおいて、非常に重要なのが「ストーリー」です。もちろん学生側は新卒入社先を選ぶうえで、給与や福利厚生、労働時間、同期の優秀さ等を考慮するのが一般的ですが、何より入社後に自分が携わる仕事と事業・会社の過去および未来がどのように関連し、それがどのように学生のキャリアパス上で価値となっていくのか、ということに着目している傾向があります(無意識的なものを含む)。

そのため、各学生が企業に入社後、どのような過去(=ヘリテージ)を背負って、どのような仕事を通じて、どのような企業、そして当学生の未来を実現できるのか、という一連の流れをストーリー化し、そのストーリーを伝えていく必要があります。

こうしたストーリーの練度によって、採用訴求力は大きく左右されます。

本記事では、そうした新卒グローバル人材採用におけるストーリー構築の方法論を、Margaret Mark, Carol Pearson著『The Hero and the Outlaw: Building Extraordinary Brands Through the Power of Archetypes』を参照しながら説明していきます。


採用マーケティングにおけるストーリー構築のステップ


採用マーケティングにおける「ストーリー」を構築するためには、以下のようなステップを踏みます。


①各ポジションのジョブデスクリプション/キャリアパス特定

②採用人材のペルソナ設計

③各ポジションのブランドアーキタイプ選定

④企業が持つヘリテージの整理

⑤ヘリテージ→各ポジションのジョブデスクリプション/キャリアパス→ブランドアーキタイプ→従業員/会社のTo Be像→会社のビジョンが、一直線にロジカルに繋がるような説明文(=ストーリー)を構築する


以下に各ステップの具体的な説明を記載します。



①各ポジションのジョブデスクリプション/キャリアパス特定


まずは、募集をかける各ポジションの具体的な業務内容およびキャリアパスを決定します。この際、メンバーシップ型雇用を導入している企業は前者が、ジョブ型雇用を導入している企業においては後者が抜ける傾向にありますが、どちらも抜かしてはならず、必ずどのような仕事をメインで行い、その仕事を行うことで、社内および世間においてどのような価値を持ち、どのようなキャリアパスを歩んでいけるのか、をなるべく細かい粒度で文字起こししていきます。以下に例を記載します。


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例. 化粧品会社Aの場合


1. R&D(研究開発)担当


業務内容

  • 新規スキンケア・メイクアップ製品の処方設計や試作

  • 有効成分や原材料の選定・評価、基礎研究(皮膚科学・素材化学など)

  • 安全性試験や品質試験など、各種評価テストの実施

  • 製品の改良プラン策定、既存製品の成分改良・検証

  • 学会や論文を通じた最新の技術動向のキャッチアップ


価値・やりがい

  • 自社ブランドのコア価値である「製品の品質」に直接貢献

  • 新しい素材や技術を活用し、市場のニーズに合った製品を開発できる

  • 科学的エビデンスとユーザーフィードバックから製品をブラッシュアップし、人々の美容と健康を支える

キャリアパス

  • 研究員 → 研究開発リーダー → R&D海外拠点マネージャー

    • 個別の研究テーマの推進から、複数プロジェクトの進捗管理や外国籍メンバー育成を行うマネージャーへとステップアップ

  • 研究開発マネージャー → 技術戦略担当 / R&Dディレクター

    • 技術ロードマップや研究投資戦略の立案にも関わり、経営層との連携が増える

  • 専門性を深めるキャリア

    • 成分スペシャリスト、処方スペシャリストなど、特定領域における社内外の第一人者としてのキャリアを築く道もある

2. マーケティング担当(ブランド・プロダクトマーケティング)


業務内容

  • 新商品・既存商品のブランド戦略立案、商品コンセプト策定

  • 国内外の市場調査・顧客分析(定量・定性データ活用)を通じたプロモーション施策の企画

  • SNSやWeb広告などのデジタルマーケティング戦略の設計・実行

  • 店頭プロモーションやイベント企画、販促物の制作管理

  • 売上や認知度など各種KPIのモニタリングと改善提案

価値・やりがい

  • 企業が目指すブランドイメージを顧客や社会に広める“橋渡し”的役割

  • 新商品立ち上げのタイミングやヒット商品創出など、実績が目に見えやすい

  • プロモーション手法や市場動向の変化をいち早くキャッチして柔軟に対応できる

キャリアパス

  • マーケティング担当 → シニアマーケター / ブランドマネージャー

    • 小規模プロジェクトから大規模ブランドの責任者へ。チームビルディングや売上管理の責任範囲が広がる

  • ブランドマネージャー → マーケティングディレクター / CMO(Chief Marketing Officer)

    • マーケティング戦略全体の最上位責任者となり、経営とのコミュニケーションが密になる

  • 他部署へのキャリア展開

    • 営業部や海外事業部との連携を通じて、商品企画部門や経営企画部門へキャリアチェンジの可能性もある


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②採用人材のペルソナ設計


①で募集する職種のジョブデスクリプションや、その職種でキャリアをスタートさせた後のキャリアパスを明確化したら、次のステップとして「どのような人材を採用したいのか」を具体化するために、ペルソナ設計を行います。

ペルソナ設計のフェーズでは、ある程度の母集団が見込まれるセグメントにおいて、「具体的な人材像がイメージできる」レベルまで要件を掘り下げることが重要です。その際には、定性面(インタビューなど)と定量面(母集団のサイズ推定など)の双方から分析を行い、採用ターゲットとするペルソナ像を明確化していきます。


1. 定性面での情報収集

まずは定性面の情報を収集します。具体的には、以下のようなインタビューを実施します。


  • 既に当職種で採用されている社員へのインタビュー

    • プロフィールや経歴、入社動機、実際に活躍している要因などを事実ベースでヒアリングする

  • 他社の類似職種を志望している候補者へのインタビュー

    • 志望理由、これまでのキャリア形成、日々の行動や趣向などを、客観的事実や具体的エピソードを中心にヒアリングする


重要なのは、インタビューイー個人の主観的意見だけでなく、客観的・事実ベースのデータを意識的に収集することです。また、十分なサンプルを確保するために、インタビュー対象は最低でも30人(n=20を下限)を目安とし、多様なバックグラウンドの人を含むようにします。

また時間的に余裕があれば、参与観察などを実施するのも有効でしょう。参与観察とは、調査対象と共に長期間時間を過ごし、その対象者がどのような考えでどのような行動をしているのか、に関する情報を入手する手法のことです。普通のインタビューでは手に入らない情報を入手できる場合が多く、正確なペルソナ設計には非常に有用になることが多いです。一方で、相手が学生だと協力者を見つけることが難しく、それが海外となればリソース的にも難しくなる場合があるため、あくまでnice to haveとして取り扱うのが良いでしょう。


2. 仮ペルソナの作成

インタビューや参与観察で得られたデータを整理し、採用ニーズ側が求める理想像と照らし合わせながら、複数の「仮ペルソナ」を作成していきます。ここでは、以下のような要素でグルーピングし、具体的な人物像(プロトタイプ)を形にします。


  • 共通する経歴やスキルセット

  • モチベーションの源泉

  • ライフスタイルやキャリア志向

  • 仕事観や価値観


3. 定量面での検証

次に、定量的な視点から仮ペルソナを検証します。具体的には、以下の手順で行います。


  1. カテゴリ(属性)の設定

    • 「年齢層」「学歴・職歴」「保有スキル」「希望年収レンジ」など、母集団サイズが推定しやすい項目を選定する

  2. 各カテゴリの母集団サイズの概算

    • 公的な労働市場データや採用媒体の登録データ、社内の過去応募データなどを活用し、各カテゴリの潜在人数を推定する


4. ペルソナの優先順位付けと確定

母集団サイズを把握したら、「採用難易度」「事業戦略との合致性」「将来の成長ポテンシャル」などの観点を掛け合わせながら、仮ペルソナの中から採用ターゲットを優先順位付けし、本ペルソナを選定します。


また当フェーズにおいて特に大事なのは、ペルソナ評価の際には、なるべく評価軸をシンプルに絞ること(最大でも4つ程度にするべき)です。評価軸が多くなると、定量的な評価が難しくなり、結果として整合性の取れない形で注力すべきペルソナを確定してしまいます。これまで多くの日本企業がこうした「選択のパラドックス」により、ロジカルではないペルソナを制定し、結果としてずれたストーリーの作成や、入社後のミスマッチを生んできました。そうした事象を生まないよう、評価軸の選定は時間をかけて行うべきです。

5. 定期的な見直しの重要性

ペルソナ設計は一度作ったら終わりではなく、市場の変化や自社の事業戦略の転換に合わせて、定期的にアップデートすべきです。特にITなど変化の激しい業界では、半年〜1年ごとにデータを再収集し、ペルソナをメンテナンスすることが望ましいです。


なお、このペルソナ設定は、採用マーケティングにおけるSTP分析のT(ターゲティング)を更にブレークダウンしたものになります。よって、既にターゲティングするセグメントが決まっているのであれば、そのセグメントを基に更にブレークダウンしていくイメージで進めると良いでしょう。

なお採用マーケティングの方法論に関しては、以下の記事を参照してください。



以下に、①の化粧品会社Aのペルソナ設計例を記載します。


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例:化粧品会社Aの場合


1. 定性面での情報収集


R&D(研究開発)担当

  • 海外大学卒の日本人社員へのインタビュー

    • 大学・大学院で化学・薬学・生物学などを専攻し、英語で最先端の文献や研究に触れる機会が豊富

    • 「化粧品領域の研究を通じて、日本国内だけでなくグローバル市場で通用する製品を作りたい」という意欲が高い

    • インターンシップやサマーリサーチプログラムで海外の研究室や企業に滞在した経験があり、国際的なネットワークや知見を持つ

  • 外国人学生(海外大学出身または日本国内大学出身)へのインタビュー

    • 日本の化粧品ブランドに対する憧れや、製品のクオリティの高さに惹かれて就職を希望するケースが多い

    • 日本語能力は日常会話レベル~ビジネスレベルまで個人差があるが、専門領域(化学・生物学など)は英語文献をメインに学習していることが多い

    • 「研究環境の充実」「日本特有の化粧品技術を学べる環境」を重視し、将来的に母国や海外の市場で活躍できるキャリアパスも期待


マーケティング担当(ブランド・プロダクトマーケティング)

  • 海外大学卒の日本人社員へのインタビュー

    • ビジネスやマーケティングを海外大学で学び、現地のインターンやプロジェクトベースの学習を経験

    • グローバルな視点で消費者行動やブランディングを学んでおり、「日本の強みを活かして世界に発信したい」と考える

    • SNSやオンラインマーケティングに強く、最新のグローバルトレンドに敏感

  • 外国人社員(日本国内大学出身)へのインタビュー

    • 日本の化粧品や美容文化(Kawaii文化、技術力など)に強い関心を持ち、SNSでの発信力も高い

    • 自国や第三国の市場にも興味があり、「日本発のブランドを自分の母国や世界に広めたい」という想いを持つケースが多い

    • 言語面・文化面で多様なバックグラウンドを持ち、異文化理解やコミュニケーションに強みがある


2. 仮ペルソナの作成


R&D(研究開発)担当の仮ペルソナ例

ペルソナA:海外大学院修了の日本人学生(化学・薬学系)

  • プロフィール

    • 年齢:23〜25歳(修士号取得見込み)

    • 学歴:米国や欧州のトップ大学院で化学・薬学を専攻

    • スキルセット:英語での文献読解・研究経験、最先端の材料化学や生化学知識

  • モチベーションの源泉

    • 「世界レベルの研究知見をもとに、日本ブランドの高品質な製品開発に貢献したい」

    • 最終的にはグローバルR&D拠点との連携や学会発表など、国際的に活躍したい

  • ライフスタイル・キャリア志向

    • 留学中に培った異文化コミュニケーション能力を活かして、海外研究所や海外原料メーカーとのやりとりも担当したい

    • 将来はR&Dマネージャーや研究戦略担当として、海外市場への展開に深く携わることを希望

  • 仕事観・価値観

    • エビデンス重視、研究成果を着実に製品化へつなげるプロセスを大切にする

    • 多様なバックグラウンドのメンバーとコラボレーションを好む


ペルソナB:日本国内大学卒の外国人学生(理系学部)

  • プロフィール

    • 年齢:22〜24歳(学士号取得見込み)

    • 学歴:日本の国公立大または私立大の理学部・工学部・農学部など

    • スキルセット:日本語(日常〜ビジネスレベル)、英語または母国語での高度なコミュニケーション、基礎化学実験や処方開発の基礎知識

  • モチベーションの源泉

    • 「日本の化粧品技術の高さに魅力を感じ、母国やグローバル市場に広めたい」

    • 新しい素材や成分に興味があり、自分の視点(多言語・多文化)を研究開発に活かしたい

  • ライフスタイル・キャリア志向

    • 将来的には母国との共同開発や海外拠点での研究にも携わりたい

    • 社内で技術的スペシャリストとしての成長だけでなく、海外事業部やマーケティング部門との連携も視野に入れている

  • 仕事観・価値観

    • 多文化な環境を歓迎し、新しい挑戦やアイデアを積極的に取り入れる柔軟性がある

    • 日本企業の強み(品質、細やかさ)を深く理解しつつ、グローバル視点を取り入れたい


マーケティング担当(ブランド・プロダクトマーケティング)の仮ペルソナ例

ペルソナC:海外大学卒の日本人学生(ビジネス・マーケティング専攻)

  • プロフィール

    • 年齢:22〜24歳(学士号取得見込み)

    • 学歴:海外(北米・欧州・アジアなど)の大学でマーケティング専攻

    • スキルセット:英語(ネイティブレベル)、データ分析の基礎、SNSマーケティングの知識、プレゼンテーション能力

  • モチベーションの源泉

    • 「日本ブランドの魅力を海外でどう広めるか」を考えることにやりがい

    • 自身の留学経験で得たグローバル視点を活かして、新しいプロモーション施策を企画・実行したい

  • ライフスタイル・キャリア志向

    • 海外コラボ企画や海外イベント参加に強い興味

    • 将来的には海外支社やグローバルブランドマネージャーへキャリアアップを目指す

  • 仕事観・価値観

    • スピード感のある職場を好み、データドリブンかつクリエイティブなアプローチに魅力を感じる

    • 多様性のあるチームでのブレーンストーミングからイノベーティブなアイデアを生み出したい

ペルソナD:海外大学卒または国内大学卒の外国人学生(マーケティング志向)

  • プロフィール

    • 年齢:22〜24歳(学士号取得見込み)

    • 学歴:海外大学でビジネス系を専攻、または日本の大学で国際ビジネスやコミュニケーションを専攻

    • スキルセット:複数言語(母国語+英語+日本語)、SNSやデジタル広告における知識、異文化コミュニケーション能力

  • モチベーションの源泉

    • 「日本の化粧品ブランドの世界観を自国やグローバルに発信したい」

    • 自身の文化的背景やネットワークを活かして、新市場開拓や海外ユーザーへのアプローチに貢献したい

  • ライフスタイル・キャリア志向

    • 海外展開が強化される部署や新規事業プロジェクトへ積極的に関わりたい

    • 数年後にはブランドマネージャーや海外事業部リーダーとして、現地マーケティングを主導する道を目指す

  • 仕事観・価値観

    • 異文化チームでのコラボレーションにやりがいを感じる

    • クリエイティブな企画力と論理的なデータ分析力の両方を重視


3. 定量面での検証

  1. カテゴリ(属性)の設定

    • R&D担当

      • 学歴(海外大学院修了 / 国内大学卒)

      • 専攻領域(化学・薬学・生物学・素材工学など)

      • 語学力(英語・日本語のレベル)

    • マーケティング担当

      • 学歴(海外ビジネススクール / 国内大学で国際ビジネス専攻など)

      • 保有スキル(SNS運用、データ分析、異文化コミュニケーション)

      • 語学力(英語・母国語・日本語)

  2. 母集団サイズの概算

    • 留学生向け就職イベントや大学の国際学生データベース、外資就活系サイトなどを活用し、「海外大学出身の日本人学生」「外国人留学生」の登録者数を推定

    • 自社や競合他社の過去応募データ・インターンシップ参加者情報から、実際に応募してくる人数や通過率を把握

    • R&Dにおいては、特に理系留学生・日本人海外大学院修了者の数が限られるため、採用難易度が高いと予想


4. ペルソナの優先順位付けと確定

ここでは、事業戦略との合致、および採用難易度、そしてカルチャーフィット・社風との相性の3つの観点で評価をするものとします。


図1:評価マトリックス例

マトリックス

ペルソナA:海外修士卒の日本人学生(R&D)

  1. 事業戦略との合致度:高

    • 海外大学院で先端研究に触れており、新素材開発やグローバルR&Dを強化したい企業の方向性にマッチ。

  2. 採用難易度:中

    • 国内で似たようなプロフィール(研究特化+英語力)を持つ学生よりは競合が少ない場合もあり、アプローチ次第では比較的獲得しやすい。

    • ただし最先端分野の修士号保有者は製薬・化学業界などもターゲットにしているため、企業が自社R&D環境の魅力を明確に訴求する必要がある。

  3. カルチャーフィット(社風との相性):中〜やや高

    • 留学経験による柔軟性を持つ一方、研究へのこだわりが強く、“じっくり成果を出す”風土か“スピード重視”かでフィット感が左右されやすい。

    • 日本企業特有の階層構造・根回し文化などに抵抗を感じる可能性があるため、研修・メンター制度など受け入れ体制が鍵。


ペルソナB:国内大卒の外国人学生(R&D)

  1. 事業戦略との合致度:やや低

    • 多文化視点で将来の海外連携に貢献し得るが、学部卒レベルゆえ即戦力として先端研究に携わるには限界がある。

    • 中長期的に育成して戦力化するかどうかは、企業側の研究テーマや海外展開次第。

  2. 採用難易度:やや高

    • 日本語・理系知識・母国語を兼ね備える留学生は一定数いるが、すでに各社が注目しているため競合が起きやすい。

    • 企業が明確に「グローバル化」「多様性推進」を打ち出している場合はアピールしやすくなる。

  3. カルチャーフィット(社風との相性):中

    • 日本の大学で学んだ経験があるため、言語面や生活面の適応度は高め。

    • ただし、研究プロセスや会議運営など“日本的な慣習”に戸惑うケースもあり、オンボーディング支援の充実が重要となる。

ペルソナC:海外大卒の日本人学生(マーケティング)

  1. 事業戦略との合致度:中

    • グローバルマーケティングやデジタル活用のスキルはあるが、企業が「イノベーション起点のマーケ戦略」を最重視している場合、既存採用ルートと大きく差別化されにくい。

    • ただし海外展開やSNS施策強化には役立つので“必要性は高い”が、“最優先”かどうかは企業方針次第。

  2. 採用難易度:中

    • 外資系・IT企業との取り合いになるが、R&Dほど専門性の希少性が高いわけではないため、アプローチ次第で確保しやすい。

    • キャリアパスや若手の成長機会をしっかり提示することで惹きつけやすい。

  3. カルチャーフィット(社風との相性):やや高

    • 多様性に慣れており、日本企業でのチームワークにも比較的順応しやすい。

    • 一方、海外大卒ならではの「スピード感」「自由な発想重視」といった価値観が強い場合、日本の意思決定プロセスや縦割り構造にストレスを感じる可能性もある。

ペルソナD:海外大卒 or 国内大卒の外国人学生(マーケティング)

  1. 事業戦略との合致度:高

    • 多言語対応力や自国市場の知見により、海外市場拡大・グローバルブランド推進に大きく貢献できる。

    • 企業がアジア・欧米など特定地域に集中進出を目指すなら、該当地域出身の学生が非常に有力。

  2. 採用難易度:やや低

    • 一見希少に感じられるが、海外ではマーケ分野に強い外国人学生が増えており、アプローチ方法を工夫すれば比較的多くの候補者を得られる。

    • ただし、世界的に見れば母集団は大きいものの、「日本語+英語+マーケ実務レベルのスキル」をすべて満たす層は実際には限られるため、ターゲット選定が重要。

  3. カルチャーフィット(社風との相性):中

    • 多文化チームでのコラボ、海外トレンドへの感度は高い。

    • 日本語での細かな報連相(ほうれんそう)や根回し文化などに馴染めるかは個人差が大きく、オンボーディングでのサポートが不可欠。

最終的な各ペルソナの優先度は以下の通り:


図2:各ペルソナの優先度・主な理由

優先度

ペルソナ

主な理由

A:海外修士卒の日本人学生(R&D)

・グローバルR&Dや新素材開発強化を目指す企業にマッチ度が高い


・先端研究への関心度が高く,英語力も備えている


・採用難易度は「中」で、アピール次第では十分確保可能


・研究重視orスピード重視かで社風適応が左右されやすい

D:海外大卒 or 国内大卒の外国人学生(マーケ)

・複数言語とマーケ知識を活かし、海外市場拡大を担える


・希少人材に見えるが、世界規模で見れば母集団が大きくアプローチしやすい


・日本の商習慣や報連相への適応は要サポート


・グローバルブランド戦略に直結するため事業戦略との合致度が高い

要検討

C:海外大卒の日本人学生(マーケティング)

・デジタル施策や海外マーケの基本スキルあり


・合致度はそこそこ高いが、既存マーケ採用と差別化しにくい可能性


・外資系・IT企業との競合はあるが、R&Dほど専門性が限定的ではなく採用はしやすい

B:国内大卒の外国人学生(R&D)

・将来的に多文化視点の研究体制を構築できるが、即戦力として先端研究に携わるには限界がある


・留学生向け求人の競合も一定数あり、採用難易度はやや高め


・日本語でのコミュニケーションには適応しているが、日本的プロセス管理への馴染み度は個人差が大きい


・長期的に育成する余裕があれば検討に値するが、現時点の優先度は低め



5. 定期的な見直しの重要性

  • グローバル人材の採用市場は流動的

    • 為替レート・海外拠点の戦略変更・ビザ要件の変更など、外部要因が大きい

    • 半年〜1年スパンで海外大学の卒業時期やトレンドを再確認し、ターゲット大学・修了者数などのデータを更新

  • 自社事業戦略・研究領域の変化

    • 新技術や新市場への進出に伴い、必要とされる専門スキルや語学力が変化する可能性がある

    • 過去の新卒入社者の定着率・活躍度合いをモニタリングし、ペルソナに反映

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③各ポジションのブランドアーキタイプ選定


各ポジションのジョブデスクリプションおよびキャリアパスを特定、およびペルソナの設計が完了したら、次は各ポジションのブランドアーキタイプを選定します。ブランドアーキタイプについては、Margaret MarkとCarol Pearsonが2001年に執筆した"The Hero and the Outlaw: Building Extraordinary Brands Through the Power of Archetypes"にて詳細に説明されている*1ことから、当書の内容を参照し説明していきます。


まずブランドアーキタイプとは、「ブランドは、単なる機能的な特性の集まりではなく、意味や価値の蓄積である」という前提の下で、カール・グスタフ・ユングが"Psychology and Religion"の中で提唱した「神話の構成要素として地球上のほぼ至るところで見られると同時に、無意識から生まれた個別の産物でもある、集合的な性質を持つ形やイメージ」であるアーキタイプの理論がベースとなり、本書の筆者らによって体系化された、「12種類の人格になぞらえて分類された、企業やブランドの持つ特徴やイメージのフレームワーク」を指します。筆者らは、プロダクトをはじめ、ニュースや映画など様々なものがブランドアーキタイプを含んでいる他、広告においてもこのブランドアーキタイプが活用されているとしています。

採用におけるストーリーの構築においては、このブランドアーキタイプをストーリーコンセプトの核として設定します。


そんなブランドアーキタイプ12種類一覧と概要を以下に記載します。



図3:ブランドアーキタイプ一覧

ブランドアーキタイプ (英名)

概要

代表的なブランド事例

Innocent(幼子)

純真さ・シンプルさ・楽天性を体現する。疑いなく世界を信じ、平和や安寧を大切にする。

Ivory(ピュアでナチュラルなイメージの石鹸)

Explorer(探検家)

自由と冒険心を重んじ、未知の世界を開拓しようとする。束縛を嫌い、自立性や新しい可能性を探求し続ける。

Levi’s(ジーンズを通じて自由と自己表現を象徴)

Sage(賢者)

真理や知識を追究し、世界を深く理解しようとする。学びと洞察を通じて、人々に有益な知見を提供する。

Oprah’s Book Club(書籍を通じて学びと人生の変化を広める活動)

Magician(魔術師)

神秘的な力や不思議な体験を提供し、状況を大きく変容させる。人々に驚きや夢をもたらし、日常を特別なものに変える。

Calgon(入浴剤で“魔法のような解放感”を演出)

Caregiver(援助者)

他者を守り、世話をし、支えることに喜びを感じる。献身的で思いやりがあり、安心や安全を提供する存在。

AT&T (“Ma Bell”)(“ベルおばさん”として家族を支える象徴)

Ruler(統治者)

リーダーシップや秩序、ステータスを重視し、責任感と管理能力で場を統率する。権威や高級感を伴うケースも多い。

American Express(特別な地位と信頼を象徴するカード)

Outlaw(無法者)

既存のルールや価値観にとらわれず、反骨精神で新たな道を切り開く。型破りで大胆な姿勢を示し、自由を追求する。

Harley-Davidson(反体制的・ワイルドなバイク文化)

Hero(英雄)

勇敢さを持ち、困難を乗り越えて成果を追求する。周囲を鼓舞しながら、努力と行動で目標を達成しようとする姿勢が特徴。

Nike(“Just Do It”で挑戦と勝利を象徴)

Lover(恋人)

愛や官能性、美を重視し、深い感情的な結びつきを育む。ロマンや情熱によって、人々の心を満たし、絆を深めようとする。

Hallmark(カードによる愛情表現をサポート)

Jester(道化師)

ユーモアや遊び心で人々を楽しませる。笑いによってストレスを解消し、場の雰囲気を明るくする存在。

Miller Lite(軽快なCMで気軽さと楽しさを打ち出すビール)

Regular Guy/Gal(一般大衆)

親しみやすさや等身大の感覚を提供し、誰もがそのままで受け入れられると感じさせる。気負いなく、自然体でいられる存在。

Wendy’s(家庭的で飾らないファストフード店)

Creator(創造者)

新しいものを創り出し、独自のアイデアやデザインによって価値を生み出す。創造性を追求し、ユニークな世界観を提示する。

Williams-Sonoma(質の高いキッチン用品で創造的な生活を提案)

そして、②のペルソナに合致するブランドアーキタイプを上の12つから選び定義づけします。その上で、当ブランドアーキタイプをベースに、具体的なポジションコンセプトを決定します。

なおその際注意すべきことは、極力複数のブランドアーキタイプを選択せずに、なるべく一つのブランドアーキタイプに絞ることです。

また最後の手順である⑤のストーリー構築のフェーズでは、必ずストーリーが当ブランドアーキタイプのコンセプトと一致しているか(ストーリーを聞いた/読んだ際に、必ずコンセプトが想起できるか)をチェックします。これはコンセプト・ベースド・ブランディングの考えに基づいたものであり、詳細を知りたい方は、弊社が過去に公開した記事を参照してください(記事「採用マーケティングのガイドライン2025 - 新卒採用はマーケティングである」)。


以下にブランドアーキタイプの設定例を記載します。


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例. 化粧品会社Aの場合


1. R&D(研究開発)担当


選定アーキタイプ:Sage(賢者)

  • 研究開発部門においては、化学的・技術的な根拠をベースにした信頼性や専門性が求められる。

  • “真理を探究し、世界を深く理解しようとする”Sageが掲げる学問的な姿勢は、R&Dにおける「最先端の知識を絶えず追求する」という方向性と合致する。

  • 企業全体のブランドイメージとはやや異なる場合でも、採用段階においてR&D担当の訴求を行うなら、Sageがもたらす「安心感」や「専門性」を前面に打ち出すのが効果的。


ポジションコンセプト例

「世界最先端の知見を探究し、科学的アプローチによって人々の美と健康を支える。あなたの探究心が、新しい価値を生み出す原動力になる。」

  • 補足ポイント

    • ポジションの特徴(専門性・学術的探究)を強調しつつ、“賢者”の持つ誠実さや信頼感が伝わるようにする。

    • 「探究心」「科学的アプローチ」「新しい価値」などの"賢者"を想起させるキーワードを盛り込む。



2. マーケティング担当(ブランド・プロダクトマーケティング)


選定アーキタイプ:Lover(恋人)

  • 化粧品業界のマーケティングは、とりわけ「美しさ」や「感性」を重視し、消費者との感情的な結びつきを生み出すことを意識。

  • “愛や官能性、美を重視し、深い感情的な結びつきを育む”Loverが掲げる世界観は、ブランド体験にロマンやワクワク感を盛り込みたいマーケターのビジョンと合致。


ポジションコンセプト

「人々の心を満たし、美しい瞬間を演出するブランド体験を創り上げる。あなたの情熱が、世界中の人々との深い絆を育む。」

  • 補足ポイント

    • 「心を満たす」「美しい瞬間」「深い絆」といったLoverらしい情緒的なキーワードを用いて、徹底して感性を刺激するコンセプトにする。

    • 企業全体のブランド・トーンに合わせて、特に“ユーザーとの関係性を深める”ことを際立たせる。


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④企業が持つヘリテージの整理


ヘリテージ(Heritage)とは、"features belonging to the culture of a particular society, such as traditions, languages, or buildings, that were created in the past and still have historical importance"、和訳すれば「特定の社会の文化に属する特徴であり、伝統、言語、建築物など、過去に作られ、今でも歴史的に重要であるもの」となります*2。これを企業に適用させると、企業の創業ヒストリーやプロダクト、サービスの歴史ということになります。勿論、長い歴史は武器になりますが、たとえ短くても、歴史の流れを事細かにブレークダウンし、現在存在するサービスやプロダクトがどのような時代背景で、どのような流れで現在の形に至ったか、をストーリーとして整理することが重要です。以下に例を示します。



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例. 化粧品会社Aの場合(仮)


  1. 1975年:創業者が化粧品開発をスタート

    • 創業者である山田花子(仮名)は、大学で薬学を学んだ後、肌トラブルに悩む人のために“肌にやさしく、かつ有効成分がしっかり働く”化粧品を作りたいと決意。

    • 自宅の小さな研究室で独自の処方設計を始めたことが、A社の原点となる。

  2. 1980年代:初のスキンケアライン発売 & 品質重視の理念確立

    • 自宅ラボで生み出した“薬用化粧水”が地元で話題となり、口コミを通じて全国的な人気へ。

    • 創業者は製品に含まれる成分の“安全性・根拠”を追求し続ける姿勢を貫き、「品質第一主義」という社是を明文化。

    • この理念が後の研究開発体制の礎となる。

  3. 1990年代:美容液ブームと研究拠点拡充

    • 社会的にも“アンチエイジング”への注目が高まり、A社は大学や公的研究機関との共同研究を強化。

    • 新たに皮膚科学・素材化学の専門家を迎え入れ、本格的なR&D部門を設立。

    • 研究成果をもとに、肌の再生メカニズムを応用した「美容液シリーズ」を発売し、国内外で評価を得る。

  4. 2000年代:海外展開とブランドリニューアル

    • アジアを中心に海外進出を開始し、現地の気候・肌質に合わせた製品開発を進める。

    • ブランドロゴやパッケージデザインを一新し、「“肌を健やかにする革新と、自然への敬意の融合”」をコアメッセージに掲げる。

    • グローバルR&D拠点を設立し、多国籍の研究員が集う体制を構築。

  5. 2010年代~現在:サステナビリティとデジタル戦略の強化

    • 自然由来成分の安定調達や環境配慮型パッケージを推進、企業全体でサステナビリティポリシーを策定。

    • デジタルマーケティングやSNS活用を本格化し、ブランドの世界観をグローバルに発信。

    • 現在は「“人と地球にやさしい美”」をテーマに、より多様な顧客ニーズに応えるプロダクトラインを展開。

    • 創業から長い年月が経った今も、創業時の処方設計の方法論をベースにしたプロダクト開発を意識。


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⑤ヘリテージ→各ポジションのジョブデスクリプション/キャリアパス→従業員/会社のTo Be像→会社のビジョンが、一直線にロジカルに繋がるような説明文(=ストーリー)を構築する


そして最後に、①~④が全て一直線になるようなストーリーを構築します。

ここで一番重要なのは、以下3点です。


・全てが一直線で繋がるよう、ロジカルに記載する

・ストーリーが、各ポジションで設定したアーキタイプのコンセプトと一致するようにする(ストーリーを聞いた/読んだ際に、必ず当コンセプトが想起できるようにする)

・ジョブデスクリプションを見ただけでストーリーの前後が想起されるようなストーリーにする


上記3点を意識して、ストーリーを作成していきます。

なおストーリーの記載は具体的であればあるほど良いです。ストーリー作成後は、当ストーリーをベースに様々なプロモーション・マテリアルを作成する必要があるため、情報量が多ければ多いほど、作成の幅が広がるためです。


以下に例を記載します(なお詳細を記載する場合、情報量が大変多くなってしまいますので、当記事では簡略版のストーリーを記載します)。


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例. 化粧品会社Aのストーリー


1970年代後半、創業者・山田花子(仮名)は、肌トラブルに悩む人々から直接聞いた切実な声をきっかけに、「肌にやさしく、なおかつ効果を実感できる化粧品を作りたい」と強く願いました。薬学の知識を活かして自宅の一角を研究室にし、試作を重ねた末に生まれた処方は、地元で評判になり、口コミで全国に広がっていきます。ここで確立された「どんなに手間やコストがかかっても安全性と品質を最優先する」という姿勢は、やがて“品質第一主義”という言葉となり、A社の確固たる企業文化として受け継がれました。
成長の過程で、A社は大学や医療機関との共同研究など、本格的な研究開発体制を整備し、より高度な製品開発を行うようになります。研究員たちは、化粧品を科学の視点で徹底的に分析し、新素材や新しい成分を探究しながら、お客様の求める効果と安全性を両立させる処方づくりに没頭していきました。若手研究員は実験手法やデータ解析の基礎を学びながらプロジェクトをサポートし、中堅になるとリーダーとして複数テーマを取りまとめ、さらに進むと研究開発全体を統括するディレクターの道が開かれます。こうして専門性を深めていく研究者一人ひとりが、A社の“品質第一主義”を今に伝える存在となっているのです。
一方、2000年代に入り、A社はアジアや欧米など海外市場への進出を積極化させました。グローバルに事業を拡大する中で、化粧品の効能を伝えるだけでなく、“なぜこの製品が生まれ、どんな想いが込められているのか”を正面から語ることの重要性が増していきます。こうして立ち上がったマーケティング部門では、お客様の心と深くつながるために、A社独自のストーリーを紡ぎ出し、共感や愛着を広げていく役割を担います。まずはアソシエイトとして市場調査やプロモーションのサポートを行い、ブランドマネージャーへ昇進するとキャンペーン全体の設計やチーム運営を任され、さらにはディレクター・CMOとして企業全体のマーケティング戦略を統括する道も用意されています。消費者の感情や価値観を大切にするこの仕事ぶりが、A社ならではの温かみあるイメージを世界に広めているのです。
研究部門は、創業以来の処方設計方法論をベースに、科学的根拠や技術力の研鑽により、お客様の生活を向上させる革新的な製品を生み出し、マーケティング部門はその背景にある“人と地球にやさしい美”というテーマを感性豊かに伝える。この二つの力が一体となって、創業以来の「肌悩みに本気で向き合う」という原点を発展させ、より多くの人々へ届けようとしているのが今のA社と言えます。社員一人ひとりは、過去から受け継がれた“品質第一主義”を体現する探究心と、お客様に寄り添う思いを日々の業務の中で融合させ、さらにサステナビリティや環境配慮といった新たな価値観を取り入れながら、社内外にイノベーションを起こしているのです。
最終的に、A社が目指すのは「科学の力と人の想いを掛け合わせ、“人と地球にやさしい美”を世界中に広げる」こと。創業当初の小さな研究室で芽生えた想いは、いまや世界規模の研究開発とマーケティングへと発展し、これからも多様な人々の肌や心、そして地球環境までも豊かにする製品づくりへとつながっています。研究開発に携わる者は探究と技術の最前線を走り、マーケティングを担う者は感性とストーリーテリングでブランドの価値を高めていく。そして全ての社員が、この企業の歩みと理念に誇りを持ちながら、社会に貢献できる未来を目指している――それがA社です。


作ったストーリーは、どのように新卒グローバル人材に伝えていくか


作ったストーリーのコミュニケーション方法について、弊社ではマーケティングの要領を導入することを推奨しております。

すなわち、学生側が就職の際にどのようなステップで企業を就職先として認知し、興味を持ち、アプライしてから最終的に入社をするのか。この一連のファネルごとのアクションを理解し、ケースバイケースでアプローチ方法を変えていく必要があります。

これは単に大手求人サイトへの掲載だけでは、アプローチとして不適当であることを意味します。

対面での説明会が重要な場合もあれば、場合によってはあえて露出を減らし、口コミでのバイラルを狙う必要もあります。

詳しくは以下の記事を参照してください。


弊社Jelper Clubでは、世界トップ学生を対象とした採用プラットフォーム「ジェルパークラブ」の運営のみならず、こうした採用マーケティングのサポートも行っております。

採用マーケティングに関心のある採用担当者は、お気軽にお問い合わせください。



まとめ


以上が、新卒グローバル人材採用成功のための「ストーリー」構築方法でした。

ストーリーを構築する上で、一番肝となる部分はやはり、ブランドアーキタイプの設定です。ここがコンセプトとなり、優秀な新卒グローバル人材にとって、ストーリーを魅力的なものにすることができるようになります。

おそらくストーリーというのは採用において普段意識されない点ではあると思いますが、この点に時間をかけて進めていけば、この売り手市場となっている採用市場を制することが十分可能となるでしょう。


(執筆・編集:Jelper Club 編集チーム)


出典


1. "The Hero and the Outlaw: Building Extraordinary Brands Through the Power of Archetypes" (Margaret Mark and Carol Pearson)


2. "heritage" (Cambridge Dictionary): https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/heritage




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