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なぜ日本の企業は海外トップ学生を採用すべきなのか

更新日:8月12日


厚生労働省は2024年1月6日、報道関係者向けのプレスリリースにて、2023年10月末時点での日本国内における外国人労働者の数が200万人を超え過去最多を記録したと発表しました*1。少子高齢化や特定の業種に発生している人材のミスマッチ、国内の若者の仕事に対する価値観の変化(特に転職に対する肯定的な考えが強まっている)に起因した国内での労働者不足が、外国人労働者に対する高いニーズの主な要因であるとパーソルグループは指摘しています*2。当指摘については反論の余地はありません。しかしながら仮に国内で日本人労働者が充足される場合、外国人労働者に目を向けていく必要はないのでしょうか?

弊社の結論としては、グローバルとの接点がある企業は勿論、日本国内向けにサービスを展開している企業は、国内採用の進捗問わず外国人労働者を採用していくべきです。また特に海外トップ学生の新卒採用を推進していくことを推奨します。当主張の背景としては、以下の4つが挙げられます。


  1. 少子高齢化や外資参入に起因した国内若年層採用競争の激化

  2. 知名度および報酬面の魅力に頼らない優秀な人材採用の実現

  3. 既存の従業員・新卒学生に対する刺激

  4. 高い専門性と豊富な実務経験を持った海外トップ学生


本記事においては、上記の背景の詳細について記載していきます。



1. 少子高齢化や外資参入に起因した国内若年層採用競争の激化


手始めに、上記で引用したパーソルグループの指摘について改めて整理していきます。

人材のミスマッチ問わず、特に少子高齢化については明らかに影響が深刻であり、特に日本の若年層の人口は今後拍車をかけて減少していくことが予想されています。国立社会保障・人口問題研究所によれば、若年層(20-24歳)の人口は、2020年の約632万人から、2025年には約598万人(対2020年比▲5.3%)、2030年には約577万人(対2020年比▲8.7%)、そして2040年には約497万人(対2020年比▲21.3%)まで減少すると推定されています*3

加えて、毎年一定数の外資系企業が日本に参入し*4、新卒採用を行っていることから、新卒採用市場は母集団の縮小と競争激化というダブルパンチを喰らうようになります。結果として、新卒を採用戦略の軸としている日本の企業は、既存の学生からの人気度に寄らず今後採用に苦戦していくことが予想されます。勿論中途採用を強化するという選択肢が当トレンドに対するカウンターメジャーであることに異論はありませんが、中途採用の強化は同時に会社全体の平均離職率の増加に繋がる可能性が高く*5、結果としてカウンターメジャーとならないどころか、日本企業の成長の泉源である企業文化の喪失に繋がりかねません。そういった観点から新卒採用は引き続き実施されていくことが予想されます。しかしながら先述の背景により、国内の採用母集団のみに頼るような採用戦略は今後更に厳しさを増していくでしょう。

そのため国内のみならず、海外の新卒学生、それも日本の優秀な新卒学生と同じレベル、或いはそれ以上の新卒学生が多く存在する(※確率論として)海外トップ大学の学生にアプローチすることが有効なオプションとなってきます。



2. 知名度および報酬面の魅力に頼らない優秀な人材採用の実現


近年の円安や実質賃金の低下トレンド下において、日本のメディアの多くが以下のような言説を展開しています。

日本の給与が安すぎて、東南アジアの学生も日本に就労したがらない。
日本はもはや先進国ではない。発展途上国である。そんな国で働きたいと思う外国人はいないだろう。

しかしながら、以前弊社が執筆したインサイト記事「世界トップ学生の就職活動2024 - 日本企業が世界の新卒採用競争を制するためのガイドライン」https://corporate.jelper.co/post/recruitment-guideline-topstudents-first) にて言及した通り、世界トップ学生の就職先として密かに注目が集まっているのが実は日本の企業なのです。実際、日本に関心のある世界トップ学生が多く登録する弊社採用プラットフォーム「Jelper Club」のウェイティングリストリストへの申込も殺到している状況です。ではなぜ日本の企業が注目を集めているのでしょうか。その理由は以下の3点となります。


・日本に対する憧憬の高まり

・直近の日本企業の再興隆

・日本の生活の質の高さと安全性


上記の3点が要因となり、日本の企業への就労に対する関心が高まっております(詳細は当リンクを参照:https://corporate.jelper.co/post/recruitment-guideline-topstudents-first)。

また弊社担当者の肌感ベースにはなりますが、日本での就労に関心のある学生ほど、企業の知名度や報酬ではなく、扱う商材やサービスの魅力度や自分の専門分野とのマッチ度、労働環境(特に新しいことに挑戦できる環境)といったことを重視する傾向にあります。そのため、現状の国内採用市場での知名度問わず、どの国内企業にも採用の効果が見込める可能性があるのが当セグメントの特徴となっております。



3. 既存の従業員・新卒学生に対する刺激


世界トップ大学からの社員を受け入れることは、当然のことながら既存の従業員へのモチベーションアップやスキルアップにもつながります。特に、グローバルでの経験が豊富かつ専門性に長けた新卒人材のマネジメントを既存の国内従業員に任せることによって、当従業員の視座が上がるだけでなく、今まで非常にコストのかかる海外派遣によって積ませていた同様の経験を、日本国内で完結させられることが可能となるため、結果としてトータルの教育コストが安くなるといった意見も受入実績のある企業側から出ております。

更には"優秀な新卒同期"の存在が、新卒学生の入社先決定の決め手となっているケースも散見されます。以下に、当ケースに該当する学生の声を記載いたします。


(自分は)優秀な同期と切磋琢磨しながら成長していきたいと考えているため、(当観点から)内定をもらった会社の中から就職先を決める上で、「入社先の新卒同期のレベル」という観点は一番重要視している(キングスカレッジ(イギリス)・学士3年)
新卒同期が優秀であればあるほど、その会社の求めるスキルセットも高いということだと考えており、すなわち(自分が)入社すればそれだけ高い専門性と経験を積めるという認識(ハーバード大学(アメリカ)・学士3年)

すなわち、新卒同期のレベル感と自己成長見込みを照らし合わせて考える学生が多いということです。実際Openworkが23卒学生ユーザーに対して行った調査*5で、「入社先決定時の企業選びの軸」として「社風・社員の人柄」「事業内容」に次いで3番目に「自己の成長が見込める」位置付けられており、上位2つが定数要素を含む軸であるのに対し、「自己の成長が見込める」は変数部分が大きいことを踏まえると、優秀な世界トップ学生の採用を行うことで自己成長を促す環境であることをアピールすることで、より内定承諾→入社へのコンバージョン率を高めることも可能となっております。



4. 高い専門性と豊富な実務経験を持った海外トップ学生


当トピックについては反論を挟む余地も少ないかと存じます。基本的にハーバードやスタンフォード、オックスフォードなどの海外トップ大学では、世界トップの頭脳を持った学生が集まり、世界最高峰の教授陣の下で各々の専門性に磨きをかけるべく、同じく世界トップの頭脳を持った仲間と切磋琢磨しております。よって、当然のことながら豊富なアカデミックレコードを持った学生が多いことが大きな特徴となっております。勿論、学部の段階から査読付き学術誌に論文を複数投稿している学生も非常に多いです。

更には、特にアメリカやイギリスでは、フルタイム選考の際に専門性の高さに加え、インターンシップ経験が重視されるため、非常に多くの学生がインターン経験を積んでいるのが特徴の一つです。実際、弊社採用プラットフォーム「Jelper Club」に登録している学生の学部2年生以上の殆どが実務経験を持っており、欧米の大手テックファームやシリコンバレーのスタートアップ、NASAをはじめとした政府系機関など、世界トップクラスの環境で実務経験を積んでいる学生が多く当プラットフォームに登録しております。

そういった背景から、特にエンジニアについては即戦力として採用することができ、実際に弊社プラットフォームで世界トップ学生を採用した某スタートアップからは、以下のようなコメントをいただいております。


入社後、想像を遥かに超えたアウトプットを出してきて大変驚いた
学生なので一定の教育コストがかかるものと認識していたが、一通りシステム仕様についてナレッジトランスファーした後、直ぐにパフォームしはじめたため、良い意味で予想を裏切られた

特にスキルレベルの高い中途エンジニアの採用にお困りの企業は、こうした世界トップ大学で学ぶ学生の採用を視野にいれて採用活動に注力されることを強く推奨いたします。



まとめ


日本国内の大手メディア等が展開する言説に惑わされ、世界トップ学生の採用に対し諦念を抱く日本企業の採用担当者が近年多く見受けられます。

一方で上記の通り、日本での就労を目指している世界トップ大学の学生は一定数存在し、そういった学生は非常に高度な専門性と豊富な実務経験を持っているケースが多いことから、そうした諦観によって海外トップ学生の採用活動を実行しないことによる機会損失は非常に大きなものです。

中長期的な採用戦略の観点からは勿論、短期的に特定のセグメントの採用に苦戦しているといった状況にある企業は、目線を海外に向け、特に質の面で期待できる世界トップ大学の学生の採用に注力していくことを強く推奨します。


弊社は世界トップ学生が登録する採用プラットフォーム「Jelper Club(ジェルパークラブ)」を運営しております。上記の件やそれ以外の採用関連のトピックでお困りの企業担当者の方は、是非お気軽にご相談ください(お問い合わせはこちら)


(執筆・編集:Jelper Club編集チーム)


出典・注記


1. 「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末時点)」(厚生労働省):https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37084.html


2. 「【業界別データ】人手不足の現状と原因|6つの解決策・事例も解説」(パーソルグループ):https://www.persol-group.co.jp/service/business/article/337/


3. 「日本の将来推計人口」(国立社会保障・人口問題研究所):https://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2023/pp202311_ReportALL.pdf


4. 「第54 回外資系企業動向調査(2020 年調査)の概況」(経済産業省):https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/gaisikei/result/result_54/pdf/2020gaikyou-k.pdf


5. 「早期離職はなぜ起きる? 中途社員の離職率や理由別対応策を紹介」(ビズリーチ):https://media.bizreach.biz/14158/


6. 「先輩就活生約2000人に聞いた、入社先企業の決め手 - 2位・事業内容、1位は?」(マイナビニュース):https://news.mynavi.jp/article/openwork-7/

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